2012年04月14日

背景としての生垣の効果

庭をデザインするとき、私が気にしていることの一つが、「どんな背景があるのか、または造るのか」ということ。どれほど素敵な庭を造ってもそれが美しく見えるかどうかは背景次第。シンプルで単色の背景があれば、どんな花でも映えるものです。


もともと素晴らしい背景がある場合、それを借りて手前に庭を展開させます。元からあった背景も庭の一部ですよと錯覚させ、庭を広く見せる手法です。専門的には「借景」といいます。


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↑お隣の生垣を借景にしてデザインしたローズガーデンのパース。背景が整っているので花が映えます。また、中心のアーチをお隣の松の大木(仕立てていない自然樹形で良かった)と同じ軸に配置することによって、目線をぐっと引き寄せる効果を狙いました。まるでこの庭のために用意されたかのような背景に見せています。


新興住宅地などでは、使える背景がない場合が多く、一から造ることになります。このとき庭のプライバシーを保つ役割も兼用させることがほとんどで、背の高い塀なら基礎も大きくなり予算もそれなりに必要です。予算が限られている中でメンテナンスさえできるのなら、私は断然生垣をお勧めしています。


生垣に適する木は、次のようなものがあります。一般的には刈り込みに耐える&常緑のものがおすすめですが、その場やお好みに合ったものを選んでいいと思います。

刈り込みのきく生垣:ウバメガシ、カナメモチ、針葉樹系
花を楽しむ生垣:ツバキ、サザンカ、キンモクセイ(低い生垣なら、ツツジ、アセビ、クチナシ)
実を楽しむ生垣:ピラカンサ、セイヨウヒイラギ
葉を楽しむ生垣:アオキ、ナンテン、キンマサキ、ギンマサキ
新緑(紅葉)の美しい生垣:マサキ、カナメモチ、キンメツゲ、ナンテン
防犯に役立つ生垣:セイヨウヒイラギ、ヒイラギモクセイ、ヒイラギナンテン
葉の彩りを楽しむ生垣:キンマサキ、ギンマサキ、黄色やシルバーのコニファー類
混植を楽しむ生垣:アベリア、アセビ、イヌツゲ、シャリンバイ、トベラ、ハクチョウゲ
タケ類を楽しむ生垣:カンチク、クロチク、ヤダケ
芳香を楽しむ生垣:クチナシ、モクセイ、ヒイラギモクセイ、オガタマノキ、ローズマリー

南側生垣.JPG
キンマサキの生垣。新しく設えたばかりの苗木の状態。斑入りで明るい雰囲気の生垣。和風洋風どちらの庭にも合います。



このように様々なテクスチャーが楽しめ、更に季節によって変化していくなんていう背景は、生垣をおいて他にはありません。また、手前に何もなくても、生垣さえきちんと整っていればそれなりに見え、十分緑も楽しめるのです。


CIMG0344.JPG
面白い生垣を紹介します。桂離宮の竹の生垣です。生きた竹を途中で折り曲げ、葉のついた枝を編み込んで造られています。折り曲げても枯れない竹の性質を利用したダイナミックな生垣。


また、生垣のいいところは裏表がないところです。(桂離宮の竹の生垣は例外です。裏はすごいことになっています。)日当たりの具合で多少は変わりますが、自分が楽しみながらその裏側から見る人にも緑を提供しているのです。景色を貸すことができるのです。

新興住宅地などでは、使える背景がない場合が多いと初めに書きましたが、借景できる景色がないなんて小さいことを言うよりは、「どうぞどうぞ背景をお貸しします。よりよく見せてやってください。」なんて言う方がよくないですか?

また、手入れを重ね年季の入った生垣は、家の風格すら物語るようになります。
これは、コンクリートの塀やアルミフェンスには真似のできないことです。

CIMG0353.JPG
桂離宮の生垣。丁寧に刈り込まれた生垣は庭の格を上げてくれます。


「生垣ってなんかいいじゃん!」って思ってもらえたら嬉しいな。次回は、メンテナンスと防犯について書きたいと思います。


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posted by マブリツ at 15:39 | 滋賀 ☁ | Comment(0) | ガーデンデザイン | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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