2013年07月30日

I love 南吉

あれは5歳くらいだったか、初めて自分から本が読みたいと心から思い、母親に駄々をこねました。そして、保育園(そのころ私の故郷では幼稚園がなく、小学校まで保育園に行くシステムだったような)の注文販売で毎月1冊づつ絵本を買ってもらうことになったのです。しばらくして届いた記念すべき第1冊目は、新見南吉作の「ごんぎつね」でした。もう嬉しくてしかたなかったことを覚えています。あれから数十年・・・。4回引越ししたにも関わらず、いまだに私の手元にあります。


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手元に残った絵本2冊。アンパンマンは昔から人気だったんです。でも顔がなんだかおっさんだなー。


なぜこんな話を唐突に始めたかというと、今日7月30日は、児童文学作家 新見南吉氏の生誕100周年記念日だから。知ってましたか?知らない人の方が多いかもしれないな。

新見南吉作の物語といえば、「手袋を買いに」や「おじいさんのランプ」が有名ですよね?新見南吉の物語は子供向けに書かれたものかもしれませんが、世の中の厳しさも非常もきっちり書かれています。ちょっと切なく悲しいストーリーがあります。「ごんぎつね」はその典型で、読む度に、きつねのゴンの気持ちを思うと泣けてくるのです。南吉氏は昭和4年4月6日の日記で「やはり、ストーリィには、悲哀がなくてはならない。悲哀は愛に変る。(中略)俺は、悲哀、即ち愛を含めるストーリィをかこう。」と言っていますから、狙い通りというわけです。

今思えば、5歳の私がこの悲しい物語をどれだけ理解していたのでしょうか。

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ほとんど平仮名だけど結構字は多め。いったい何度読んだことか?落書きもほとんどしていないので、よほど大事に思ってたんだな、5歳の私。


ご存じの方がほとんどとは思いますが、あらすじはこうです。

きつねのごんは自分のいたずらのせいで、ある男に迷惑をかけてしまったと(思い込んで)償いを始めます。途中思いもよらない方向にいって戸惑うのですが(このあたりが子供にウケるのかも)、それにもめげず自分のまっすぐな思いを貫いて償い続けます。そしていつものように栗を差し入れたある日、男に誤って撃ち殺されてしまうのです。虫の息のごん、ようやく償いの気持ちが男に通じるのですが、時すでに遅し。男は後悔と悲しみに暮れるというお話です。

5歳の私は、まさか撃ち殺されるとは想像もしてなかったので、びっくりして可哀想だと泣いたと思います。いくら誠意をつくしてもどうにもならないこともあるんだと、後から気づいてもどうしようもないこともあるんだと、この世の無情を初めて味わっただろうと思うのです。

うーん、渋いぞ。ごんぎつね。この物語を若干18歳のときに書いたという新見南吉って、渋すぎる。


生誕100年記念事業や記念グッズがあるそうな。ごんがキャラ化した「ごん吉くん」のマスコットも発見!ごんは死んでラブリーに生まれ変わったみたいです。よかった。




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posted by マブリツ at 23:59 | 滋賀 ☁ | Comment(0) | マイライフ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2013年07月29日

暑中お見舞い


暑中お見舞い申し上げます

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忙しいあなたへ。ディアガーデンより、涼しそうな木陰のイメージを贈ります。ここでアイスティー(もしくはコーヒー)でも飲みながら、のんびり寛ぐなんて最高でしょ?理想的な夏の庭の過ごし方ですよね。


木陰に入るのは生き物として自然の行為です。植生や環境に関する優れた研究を多く発表されている方がおっしゃるには「人間が最も快適さを感じる植生は、落葉樹の疎林、そして草原である」そうで、まさにこのイメージです。


私は森林浴についても学んでいるのですが、ある森での実践学習の折に聞いた話によると、木々の間にぽっかりあいた空を寝そべって眺めているだけで、癒し効果があるんだとか。確か名前も教えていただいたんですが、ど忘れしてしまいました。(学んでないじゃん!ご存知の方教えてくださいませんか)

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こんな感じの空。滋賀県大津市藤尾の森で私が見ていた空です。光の加減で暗く写っていますが、実際はもっと明るかったです。


炎暑の折柄、どうかご自愛くださいますようお祈りいたします。

私も自愛のため、ほんの束の間ですが避暑する予定です♪


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2013年07月26日

夏の風物詩

夏になると必ず設えるものといえば風鈴です。このブログを何年も読んで下さっている方なら「あー、はい。はい。いつものアレね。」ってわかると思うのですが、初めての方のために解説しますと、

それは私の故郷兵庫県で作られている「明珍火箸風鈴」といいます。実家から車で小一時間のところにある姫路市で代々甲冑を作っておられた明珍鍛冶が現代にその技術を伝えた名品といわれています。昨年はその音色をうまく伝えられなかったので、今年はYouTubeに投稿してみました。初投稿です。




鍛錬された鉄ならではの余韻の残る音色。4本それぞれの音が和音となって響く様を感じていただけたかしら?私は毎年この涼やかな音色を聞きながら、暑苦しい夏を乗り切っています。


季節によって変化する気候への対応、主に家電に頼ることが多いですよね。体感的には快適になったけれど、人間本来の調節機能や情緒面では疑問が残ります。節電が当たり前になった今では、人間らしく汗をかいて、五感フル活用で涼を感じる工夫も復活の兆しありです。とてもいいことだと思います。

この時期、とりあえず「まんべんなくいつも涼しく」という欲望を一旦脇におきましょうか。ピンポイントの「涼」を1日の中でタイミングよく投入する。汗かいた後にいただくキンキンに冷えたビールが美味しいように、夏ならではの気持ちよさというものがありますよね。そこ、狙いましょう。

私の場合、風鈴の涼やかな音以外にも五感で感じる涼といえば、

部屋を昼間でも仄暗くする。

まるで木陰にいるかのようで、とっても落ち着きます。うちは元々意識的に暗めに作っているのですが、更にブランドを締めたり、日が当たっている窓を締めて熱気が入らないように調整しています。


窓外は緑
1階の窓、1箇所を除いて全て窓外の景色を緑で作りました。見たくないものを見せないための緑なのですが、緑という色は寒色だからやっぱり涼しく感じるし、葉っぱが揺れているのを見るとひと時の涼を感じます。


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ダイニングの窓いっぱいの緑

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キッチンの窓外は緑一色。


余白をつくる
机やテーブルの上には花や照明・フレーム以外置きたくないので、普段からあまりモノが出てない方だと思いますが、最近更に余白を作った場所があります。それはガラス戸がついた食器棚の中。食器っていつの間にか増えてて、しかも半端物や、ちっちゃい物なんか突っ込みがち。それを普段使いのものだけに厳選して、スカスカ状態にしてみました。そしたら、なんだか涼しそうに見えるんです。余白って大事ですね。部屋なら尚更効果があるんじゃないでしょうか?


お香を焚く
私、夏の香りというとアロマというよりお香です。たぶんお盆と関係ある気がします。単純だ〜。お香が薫る部屋に入ると何故か涼しく感じるのは私だけ?


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普段使いはこんなちっちゃいので焚いてます。香炉は頂き物なのですがいくつか持っています。またそのうちご紹介したいな。


1日何回もシャワー
汗をかいたら手を洗うかのようにシャワーをさっと浴びます。これが気持ちいいんだ!汗はひくしサラサラになります。気分転換にもグー。水不足のときは自粛ですけどね。


今年は冷や汁に挑戦
現場作業後、あまりに疲れすぎて食欲ないときは豆腐ばかり食べていましたが、冷や汁の方が栄養バランスも良さそうだし作ってみたいと思っています。体の中から冷やしてくれそうな気がします。


こんな風に夏を感じて夏ならではの暮らし方を工夫しています。もちろん耐え切れないほどは我慢せず、クーラーも扇風機も程々に使いますよ。そう、機械に頼るのは程々ぐらいの方が、人間の感性を刺激できていいと思います。何か工夫されていることがあったら教えてください〜。


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posted by マブリツ at 16:11 | 滋賀 ☀ | Comment(0) | マイライフ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2013年07月21日

井戸のある庭


今、井戸のある庭をデザインしています。いつもそうなのですが、こういう条件を与えられて初めて深く考えたり調べたりできるんですよねー。ありがたいです。


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井戸かー、そういえば実家にもあったなー。夏にはキンキンに冷えてて冬は暖かい。今は飲んでいないようですが昔は飲めてて、トロ味があってまろやかな水は水道水より断然おいしかったな。井戸水だと、水出しっぱなしでスイカや麦茶を冷やしてもよかったし。

私の実家の場合、井戸は庭にではなく、むかし台所だった場所の一角にあります。そうキッチンではなく台所と呼んだ方がピッタリ。結構かわいいタイルの流しに板の間と土間。流石にかまどはありませんが昭和レトロそのもので、そこで食べてた記憶がないくらい前の空間です。(今は土間のほとんどに板を貼って洗濯場になってる)

その昭和レトロな台所で思い出しましたが、ある年配の料理研究家が書いておられた話しです。
「家庭料理を守る条件は多々ありましょうが、建築家の責任は重いのです。現今のシステムキッチンは西欧家具の延長としてのキッチンであり、あれほど見ては立体的、使っては平面的なものは他にはないでしょう。特に日本の食文化とは逆行型です。」

家庭料理、きっと和食 は、素材を活かすものが多い。長時間煮炊きするよりも下ごしらえに手間をかけます。泥つき野菜を持ち込み処理する土間や、旬の野菜は余るので保存食をつくる板の間が作られました。畳の間があって、一段下に板の間、更に下に土間の3段構成の座り台所です。(ほんとに立体的だ!) 切干用に大根を延々刻んだり、団子をこねたり、女たちが座ってするからこそ楽しくこなせるように板の間を作ったところがいいですね。土間とくっついているから、少々のゴミも気にせずじゃんじゃん作業できそう。家庭料理はシステムキッチンになってますます洋風化し、保存食も作られなくなったのかもしれません。

話を戻します。といってもまだ思い出の中。
子供の頃から井戸には神様がいると教えられてきました。お正月には必ずちっこい鏡餅をお供えします。私にとって井戸は生活の一部で暮らしを守ってくれる神様。一方昔話の播州皿屋敷のお菊さんとか、最近では貞子とか、おどろおどろしいものが出てくるかもっていう夜には行きたくないような?場所でもあります。(大人になってもなんとなく怖い)

井戸は神聖なもの、やたらと潰してはいけない、ましてや瓦礫やゴミなど入れて埋めてしまうと長い間にメタンガスが発生して、その上に知らずに家を建ててしまったりすると健康によくないといいます。昔から経験的に戒める掟のようなものがあって、感謝の気持ちを込めて塩とお酒(梅干やお米とかも)でお清めをして、息ができるように青竹の節を抜いたものを真ん中に埋め、新しい土を運んできて埋めるらしい。青竹は穴の空いたパイプでもいいと思うけれど、お祓いをしてもらってから埋めるという話もあります。井戸は生き物だから殺してはいけないそうです。


井戸があれば、水不足の年でも水遣りや洗車など惜しげもなく使えますし、災害時も何かと安心。これからデザインするお宅は、井戸端でスイカを冷やしたいそうです。そんな井戸の景色が庭のポイントになるように考えたいと思っています。まとまったら何か書くかもしれません。


タグ:庭の施工
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posted by マブリツ at 18:34 | 滋賀 ☁ | Comment(0) | ガーデンデザイン | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2013年07月13日

美しいバランス― 黄金比と白銀比を知ったかぶる。


今日、ディアガーデンのある近江八幡市は、恵の雨に包まれています。連日殺人的な猛暑が続き、このままでは一体どうなるのかと追い込まれた気分だったところにようやくの雨。

今の気温28度です。涼しーい!雨の日って、こんなにも落ち着くんですね。薄暗いことも、シトシトと響く雨音も、疲れた身体には心地いい。本当に恵んでいただいた気がします。


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ガーデンの植物達も雨に打たれてホッとひといきついていることでしょう。今日は水遣りお休みできる!


只今、来週に予定しているセミナーの最終校正中。プランニングの実務についてレクチャーするのですが、その中で「黄金比」について少し触れようといろいろ調べていますと、「ほほーっ!」と思わず唸ってしまったことが。

黄金比って聞いたことありませんか?最も美しいバランス比と言われています。それは1:1.618の比率。パルテノン神殿やクフ王のピラミッド、凱旋門の縦横比が有名ですが、植物の葉を出す角度も黄金比らしいのです。厳密に言うと黄金角というらしい。360°を1:1.618の比にすると、約137.5°という角度が出ます。その角度で順に葉を伸ばし上にらせん状に伸びていくと、最も効率良く太陽の光を浴びることができるそう。「ホホーッ!」でしょ?


何かをデザインするとき、なにげに書いた寸法が黄金比だったというときは、我ながら「やるやん!」って思ったりして。バランス的に迷ったときには、黄金比にしておけばほぼ間違いない。

ところが、世の中、黄金比だけじゃない、白銀比(1:1.414)というのもあるらしい。白銀比は日本建築に多く用いられていて、大和比とも呼ばれています。黄金比が横長(もしくは縦長)感があるのに対し、白銀比はちょいと横長(もしくは縦長)という感じ。白銀比の方が柔らかみがある気がしますね。

自然の美のバランスもすごいし、その法則を見出した人や知らずに?使ってた昔の芸術家さんもすごいですね。私は知ったかぶりして使いまーす。結果的には一緒ということで。


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posted by マブリツ at 17:57 | 滋賀 ☁ | Comment(0) | ガーデンデザイン | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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